もなみ9歳
〜Lite〜
2007年02月08日 著作権法は悪魔の証明?
 えっと。
 この前から気になっていたのですケド、どうも著作権法は悪魔の証明と思われてるみたいですので、これについて、説明しなければならないようですー。
 まずは、そもそも「悪魔の証明」って何?というところから話しますねー。
 「悪魔の証明」というのは、難しい言葉で言うと「検証と反証の非対称性」なのですケド、簡単に言うなら、「1つはある」と「1つもない」では、「1つもない」のほうが証明しづらいという話ですー。
 具体的に考えてみても、たとえば日本人で今朝朝食を食べていない人がいるかいないかを調べようと思ったら、「いない」ことは、日本人全員を調査してみるまで確定できませんケド、「いる」ことは食べてない人がいた時点で調査は終わりになるわけですから、「いる」のほうが簡単というのは、よくわかると思いますー。
 でも、ちょっと考えてほしいのですケド、上の例を100人の人を対象に行うとしたら、そんなに大変なことでしょうかー?
 たしかに「ある」を証明するなら1人で済むカモ知れませんケド、「ない」を証明するのも、100人調べればいいわけで、「ある」よりは大変でも、難しいトカ不可能というほどのことではないでしょ?
 つまり、「悪魔の証明」が「悪魔の証明」たるためには、対象が広範囲になっているという条件が必要で、対象範囲が狭い場合は「悪魔の証明」とはいえないのですよー。
 以上を踏まえて、著作権法が「悪魔の証明」なのかという話をしますねー。
 そもそも、なぜ著作権法が悪魔の証明と思われているかと言いますと、これは著作権法第百十四条の二の文面のせいと思われますので、再度引用しますねー。
 >著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権の侵害に係る訴訟において、著作者、著作権者、出版権者、実演家又は著作隣接権者が侵害の行為を組成したもの又は侵害の行為によつて作成されたものとして主張する物の具体的態様を否認するときは、相手方は、自己の行為の具体的態様を明らかにしなければならない。ただし、相手方において明らかにすることができない相当の理由があるときは、この限りでない。
 たしかにぱっと読むと、「著作権侵害してないことの証明」ということになりますから、「悪魔の証明」に見えるカモ知れませんー。
 でも、文面をよーく読むと、物凄く重要なキーワードが入っているのですよー。
 それは「具体的態様」という言葉ですー。
 つまり、「いつかどこかで何かを用いて何かをひいたかひいてないか」というような広範囲に渡って調査しなければならない抽象的様態に対しては適用されず、あくまで「何月何日に何々という形で何々を用いてひいた」という具合に、調査しなければならない範囲が狭いときにしか適用されないのですー。
 まとめますと
 ・「悪魔の証明」は、「ある」「ない」のどちらも証明されていないときに、「ある」より「ない」を証明するのが困難という例え。
 ・「ない」を証明するのが困難なのは、対象の全てに対して調査が必要だから。
 ・対象が少なければ「ない」を証明するのは困難ではないため、「悪魔の証明」ではない。
 ・著作権法第百十四条の二の加害者様立証責任は「具体的態様」、つまり調査範囲が狭い場合のみ必要。
 ・よって、著作権法第百十四条の二の加害者様立証責任は「悪魔の証明」とは言えない。

 ということになりますー。
 もちろん、「具体的態様」がどこまで具体的でなければならないのかトカ、そういった問題はありますので、調査範囲が広いという可能性も出てくるとは思いますケド、この場合は条文にある「明らかにすることができない相当の理由」として、立証責任が不要となると考えることができるのではないでしょうかー。

 もっとも、もなQは著作権法第百十四条の二が本当に悪魔の証明ではないことを証明しようとすると、まさしく「ないこと」を広範囲に渡って証明する必要があるわけですから、そういう意味では「悪魔の証明」だと思いますケドねー。
名無し様:なるほど、まず著作権侵害を訴える側が具体的にそれを指摘して、それは違う、と反論しなければならない、という意味なんですかね
名無し様:こう?
名無し様:くるもなゲトー

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