どこでもドア考 さて、ドラえもんの中で最も有名なアイテムの一つであるどこでもドアだが、現在の科学はどこでもドアの可能性に対してある程度の回答が出ている
その方法としてはいくつかあるが、私はワームホールを用いる方法が最も現実的であると考え、今回はその話しをする。

そもそもワームホールとは何か。

一般相対性理論において重力とは時空の曲がりであると定義している。
超重力下においては時空の曲がりが極限に到達する。
いわゆるブラックホールの中心点においてそれは発生し、その点を特異点という
二つの特異点を結ぶとその二点間の時空はそもそも極限時空を通過するため存在しない。

つまり、時という概念の外を通ることができる
これがワームホールである。

ワームホールを用いると時間は極限に小さく、距離は自由に設定できるという。
10の-30乗以下の世界では超小型ワームホールが存在していると現在は考えられている。
現在はこのワームホールを人が通れるほどに大きくすることはできないし、行おうとすると入り口(=出口)においてブラックホールが発生する、また重力の影響を打ち消すような物質が必要など、いろいろと問題があるが、これらの問題が万が一解決すればどこでもドアはわりと簡単にできるのだ。

結論は出たと言って良いだろう。

どこでもドアはワームホールである。

では、現代の科学はどこでもドアを超えているのだろうか。
いや、どこでもドアにはまだ問題がある

どこでもドアにはもう一つの特徴がある。
それはアバウトな命令に対して反応することである。
例えば「無人島」「静香ちゃんの家」「宇宙の彼方」。
この三つを同時に利用するには超AIだけでは足りない
たとえどこでもドアが(ドラえもんを凌駕する)超AIを保有していても「無人島」「宇宙の彼方」はどうにかできるとしても「静香ちゃんの家」まではどうすることもできない。
通常ならシンタックスエラーが発生してもおかしくない問いである。
では、どこでもドアはどのようにしてこの問いに対する回答を求めているのだろうか。
この回答としてどこでもドアは相手の思考をトレースできると考えるのが自然である。
ここでどこでもドアの内部プロセスを追ってみよう。

まず、対象者の音声を認識する。
扉が開けられた瞬間に、ノブを握っている者の思考を読み取る
読み取った相手が目標の空間的座標を把握している場合(「静香ちゃんの家」がこれに当たる)、ワームホールをそこへ繋ぐ。
相手が空間的座標を把握していない場合はAI機能により自動的に情報を解釈し、ワームホールを最適と思われる空間へ繋ぐ

このようなプロセスを行っている証拠もある
一つ目の証拠としてドラえもんはどこでもドアを使う場合、抽象的な場所(「無人島」や「宇宙の彼方」)か、具体的な地名しか指定していない
これはドラえもんが人間ではなく、思考を読み取ることができないためと思われる。
もう一つの証拠はのび太がしずかちゃんの家に行くときは必ずお風呂場に出ることである。
これはのび太にしずかちゃんの裸を見たいという願望があり、それを満たす場所としてお風呂を選択しているためである。

どこでもドアは人の思考をトレースし、解釈できる

これは考えようによっては恐ろしいことである。
もしかすると野比一族による世界制覇はこの「どこでもドア」を用いて集めた相手の思考を利用したのかもしれないとまで思えるのである。


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