2001/09/13
テロ対策の話1
現実は小説より奇なりとはよく言ったもので、アメリカで小説家だって書けないようなテロ事件が勃発しました(トム=クランシーが良く似た話を書いていますが、彼はああいう人ですから、わきに置いておきます)。今回のアメリカで発生した同時テロに関しては既にあちこちで書かれていますので、今更テーブルトークで経緯についていちいち説明するような真似はしませんが私なりに書くこともあります。
眠い目を擦りながらテレビを見ていたところ、ハイジャックされた飛行機が一機国防総省に向かっているという情報に対してF-16戦闘機が迎撃に向かったという未確認情報がありました。これに対してアナウンサーが「アメリカは自国民を迎撃するかどうかという重大な判断を迫られることになりました」と言っていましたが、こんなボケた発言をするのは恐らく日本だけでしょう。問答無用で迎撃するに決まっています。前にも何度か書いたことがあると思いますが、ハイジャックに対しては断固たる措置を取るというのは基本であり、人質の安否は無視するのが国際ルールです。超法規的措置などという馬鹿げた措置を取った国は日本以外には存在しません。なぜなら、再発を防止する必要があるからです。国家がハイジャックに対して人質を取ろうと取るまいと抹殺する、という姿勢を貫くことは人質を取ることの価値を失わせ、リスクの大きい犯罪であると認識させる効果があります。人質が取られているからといって躊躇することはハイジャック犯に人質の重要性を認識させる行為であり、テロリストはともかく、にわか模倣犯の出現の抑制になります。このような事態において犯人もろとも殺されたものに対しての賠償はもちろん必要ですが、国民自体もこの場合、悪いのは迎撃したものではなく、ハイジャックを起こしたものに対して向けるべきであるという教育を徹底して行っています。そのかわり、国家は自らの威信をかけて犯人とその背景に存在している組織を壊滅させなければならないのは言うまでもありません。本当に国を一つ滅ぼすだけの覚悟があるのです。
続きます。
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