2001/10/02
寿司の話
馬鹿貝の話を書いたので寿司を食べたくなりました。ついでにテーブルトークのネタにならないかと寿司の起源について色々調べてみました。
寿司のおおもとはミサゴ鮨だと言われています。ミサゴというのは全長60センチ程度のタカ目ミサゴ科の鳥で、魚を見つけると水面に急降下し、足でつかみとるのですが、その獲物は巣に持ち帰って貯蔵し、古い順に食べるというちょっと変わった習性があります。当然貯蔵量が多くなると貯蔵された餌も古くなり自然発酵します。これを人間が横取りしたものがミサゴ鮨です。記憶が定かではないのですが、たしか四国の伝説で、傷ついたミサゴを老夫婦が助けたところそのミサゴが巣から毎日魚を採ってきては老夫婦のお茶碗の中に投げ入れた、それを食べたところ非常に美味で、これが寿司の起源だというのがあったはずです。ただ、歴史的な背景を言うと鮨をごはんと共に食べるようになったのは室町以降なのでこれは伝説に過ぎません。平安時代に入るとミサゴ鮨から少しは人の手が加わるようになります。炊き立てのご飯に魚を挟んで発酵させたもの(なれ鮨)が誕生するのです。今でも鮒鮨がこの手法を使いますね。もちろんご飯は発酵に使うだけなので食べることはありませんでした。室町時代の末期になると製法は同じですが完全に発酵するよりも前に米と一緒に食べるスタイル(生成鮨)が誕生します。このときでもまだ米の中に魚を詰めるという手法だったのですが江戸の初期の頃になってこれが逆転します。魚の腹の中に米を詰めて発酵させたものができるのです。まあイカ飯みたいなものです。さらに発酵をやめてご飯に酢を混ぜてそこに魚と野菜を入れる散らし寿司スタイル(早鮨)のものが誕生します。その後、巻き鮨が作られるようになり、江戸も中期を越えたあたりに華屋与兵衛という人物が今の握り寿司を考案します。
握り寿司が全国に広まったのは関東大震災のせいだという話があります。その頃まで寿司は屋台だったのですが関東大震災で焼け出された寿司職人が故郷に帰ってそこで寿司を広めたからだと言うのです。本当でしょうかね。
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