2002/03/27
プリンに醤油の話
キュウリに砂糖をかけるとメロンの味とか、プリンに醤油をかけるとウニの味なんて話は、誰でも一度は聞いたことがあると思います。
キュウリに砂糖をかけるというのは実際に怪しげな店頭の果汁100%フレッシュメロンジュースの原材料がこれだったりすることもあります(店の言い分だと果汁100%とは言っていても、決してメロン果汁100%とは言っていないので、キュウリ果汁100%のジュースでも構わないそうだ)が、ウニに醤油の話は、もともとの話がどこかにすっ飛んで一人歩きした感があります。挙句の果てに、子供がファストフードや冷凍食品や科学調味料の影響で味覚障害になっているなんて大真面目に語るアナウンサーもいたりします。自分の無知をさらけ出すことにかけては、アナウンサーほど最適な職業は無いですね。この話の出典は、実は「嗅覚が味覚に与える影響」に関する研究(どこの研究室のどこの学会での発表か失念した。情報求む)の中で出てきた話で、風邪を引いたときなど、鼻が効かない状態においては、こまやかな味の違いがわからなくなるというものの例としてでした。私の記憶ではその論文では100人の被験者に目隠しと鼻栓をしてもらった状態で、プリンに醤油をかけたものを食べてもらうという実験をしたところ、9割以上がウニと答えたという話です(残りの数人は何と答えたのか興味があるが、そもそもウニを食べたことがなかったのかも知れない。また、キュウリに砂糖の話もこれが出店)。そのデータがあまりに面白かったために、忘年会や新人歓迎会などの余興で使われるようになり、さらにどこをどう間違えたのか鼻をつまむという作業が省かれ、本来の「嗅覚が味覚に与える影響」を無視するようになっていったというのが真相です。最近はバナナにマヨネーズでメロンの味というのもあるみたいですが、これは残念ながら出典がわかりません。
ちなみに、一番それっぽい味になるのは本格派のプリンよりもむしろ、グリコのプッチンプリンだそうです。鼻をつまんで試してみます?


 

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