栗饅頭でブラックホールはできなかった ドラえもんの科学の中でも最も人気のあるのが「栗饅頭でブラックホール」というだ。
ところが、この話には致命的な問題があることがあおい氏によって指摘された。
問題の指摘は某日本の最高学府の学生が馬鹿な過ちを犯していたのを発見してからである。
訂正:日本の最高学府ではありませんでした。物理学の世界では最高学府と二分する旧帝大ではありますが。
その学生はブラックホール内での時間が経過しなくなるという一般相対性理論を無視した論理展開をしており、ブラックホール化した栗饅頭がさらに増大するなどと書いていたので、せせら笑っていたのだが。
「あなたなんか特殊相対性理論的に間違ってるじゃない」(byあおい氏)
あう。

そういうわけで、訂正する。
ドラえもんの措置は正しかったのだ。

特殊相対性理論はかつて何度も説明したとおり、「相対的に速く進んでいるほうの物体の時間はゆっくりと流れる」というものである。

さて、ここでドラえもんの行動に戻ろう。
ドラえもんは栗饅頭を「宇宙の果て」へ向けて、ロケットで捨ててしまった

ブラックホール化するにはチャンドラセカール限界を越える必要があるが、実は栗饅頭は半日以内でブラックホールとなる臨界を超える、という計算が求まっている。
ということはブラックホールは太陽系内で誕生してしまうのか?
しかし、相対性理論の観点にもう一度戻ってみよう。

ドラえもんが使ったロケットは遅かったのだろうか?
いや、そんなはずは無い。
22世紀の科学だ。

当然、光速ロケットだろう。

光速。そう光速なのだ。
知ってのとおり、光の速度で移動する物体は時間が経過しない(特殊相対性理論)。
さらに、最新宇宙論によって、宇宙の膨張速度は光速を越えていることがわかっている。

つまり。

光速ロケットに乗せた栗饅頭は時間の経過しない世界に突入していたのだ。
しかも、膨張速度が光速度を越えている以上、永遠に宇宙の果てに辿り着くこともない
これは最も安全な、理想的なバイバインの処理方法と言える。

ドラえもんが宇宙の果てに栗饅頭を捨てるためにどこでもドアを使わず、わざわざロケットを使ったのも、ここに理由があったのだ。

恐るべしドラえもん。

21世紀のチャレンジャーは22世紀の常識に敗れ去った。
だが、また一歩22世紀の科学に迫った。

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