2001/08/10
語源の話2
さて、昨日の続きです。面白い語源を持つ言葉は、まだまだあります。
「かったるい」という言葉がありますがこれも語源が定まっておりません。一つの説を除いてどの説でも共通しているのは「か」+「たるい」であるということで、「たるい」はもとは「だるい」で、疲れていて体に力がないとか動くのがおっくうであるという意味です。つまり「か」無しでもこの言葉は成り立つわけです。で、問題の「か」なのですが、一つはかい(な)、つまり腕の意味という説。腕がだるいが「かい(な)だるい」になり、それがかったるいに変化したという説です。もう一方は「可」で、「可」とは「〜の気持ちを起こさせる」という助詞です。最後の説ですが、「おかったるい」変化説です。この言葉は「充分ではない」という意味で、これの「お」が取れたという説。どの説も一長一短あり、これという決め手がないように思われます。たわけものという言葉の語源は、田分け者で、田を子供の数だけ分けてしまうと貧乏になるから、というのは嘘で、本当の意味は「戯け」からです。戯けという言葉は実に古く、かの日本書紀にも存在します。ただし日本書紀では姦淫するという意味で使われており、「王の母と相戯けて多に無礼す」というのがあります。そこからふざけることを戯けというようになり、ふざけたことをする人をたわけものというようになりました。ダサいの語源も「だって埼玉」が縮んだ説が流布されていますがこの言い方は後からできたようで嘘のようです。「田舎」を「だしゃ」と読んだから説が有力なのですが、ダサいが最初に使われたのは「だせー」が先という説もあり、またダサいの意味は田舎くさいというよりは「格好悪い」という意味のほうが先という話です。「どんくさい」が「どんくせー」、そして「だせー」という変化説もありますが、説としては弱い気がします。私は原典に戻って「だせー」が先という説を提唱します。なぜならこの言葉の発祥は暴走族からという有力な情報があり、時代的に「惰性で生きるな」という風潮があったからです。つまり「惰性で生きているのは格好悪い」ことから格好悪いことを「惰性」というようになり、それが「だせー」から「ダサい」に変化したということです。
明日に続きます。


 

Topへ