2001/09/30
牡蠣の話
いよいよ待ちに待った十月が来ます。なんで待ちに待ったなのかというと、十月になると牡蠣が一斉に出回るようになるからです。美味しいカキフライが手軽に食べられるシーズン。なんて素晴らしいのでしょう。
さて、牡蠣が春から夏にかけて食べられない理由ですが、牡蠣には夏の終わりになると突如雌雄がなくなり、中性になり、次の年の春になると雌雄がまた別れるという不思議な習性があるのです。つまり食べられない時期というのは雌雄が別れている時期で、この時期は牡蠣の生殖巣が熟していますからとても痛みやすいのです。また、これとは別に牡蠣が食べるプランクトンに含まれる毒が蓄積される時期でもあります。麻痺性貝毒アレキサンドリウムとギムノディニウム・カテナータムは牡蠣を毒化させるプランクトンです。特に後者はふぐ毒と良く似たサキシトキシンという猛毒を作ります。ちなみに牡蠣の雌雄の別れは栄養の採り方によって決まり、栄養をきちんと採った牡蠣はメスに、足りない牡蠣はオスになります。我が家ではこの季節になると牡蠣の土手鍋を家で作って食べます。その場合、生食用の牡蠣よりも加熱用牡蠣のほうが美味しく作れます。そういえば生食用の牡蠣というのがよく売られていますが、あれが実は生きているというのは知っていましたか?あれは剥き身にしたときに出た汁をつけたまま塩水に浸してあるのですが、牡蠣はこの状態ですと数日間は殻がなくても生きられるのです。買った牡蠣を洗う場合、普通の貝と同じように塩水を使うと身が崩れます。上手に牡蠣を洗うには大根おろしを用いるのが良いようです。大根おろしの中に牡蠣を入れ、ゆっくりと手で回しながら洗うときれいに洗えます。洗いあがりのタイミングは貝柱にある黒い筋が消えた頃。そうしたら水の中で振り洗いして大根を洗い流せばオーケーです。
牡蠣は美味しいだけではなく、海のミルクと呼ばれるほど栄養があり、特にグリコーゲンとタウリン、ビタミン類、鉄分、亜鉛などが豊富に含まれています。明晩あたり、いかがでしょう?


 

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