2001/08/23
イブニング作戦の話
前に某出版社が年末に毎週火曜日発売の週刊誌を出すんじゃないかと予測したことがありますが、その出版社と漫画出版界を二分するライバル会社である講談社がやってくれました。コミックイブニング創刊です。
さすがに火曜に直接ぶつける真似こそしませんでしたが、バンチ潰しの先制パンチと考えてよいと思います。私はこれを「講談社のイブニング作戦」と名づけたいと思います。以下、れいによって色々と危険なのであくまで私の「邪推」とさせていただき、信じる信じないは個人の裁量に任せた上でその証拠を列挙します。一つ目は創刊号の発売日を月曜日(ただしこの雑誌は月刊誌になるので今後は異なります)にしたことです。これは月曜日にイブニング創刊号を買わせて、火曜日にお金が無くてバンチを買わせないという計画と考えられます。二つ目は二冊で360円という設定です。この作戦は一冊あたりの価格を180円にすることでバンチの220円よりも割安感を出すためです。しかもこの二冊同時というのは更に三つ目の作戦に繋がります。二冊同時発売で売られているイブニング創刊号はばら売りされないように二冊をまとめられているため、立ち読みできないのです。つまり買わざるを得ない状況にしているのです。このことで、とりあえず創刊号は立ち読みしてバンチを買おうと思っている読者はイブニングを買ってバンチを立ち読みせざるを得なくなります。さらに二冊にしたことには四つ目の意味もあります。私のように漫画雑誌なんて20分もあれば読める、という人だけではないでしょう。電車の行き帰りをフルに使って読む人もいるわけです。そうすると余った一冊はいつ読むかといえば次の日。つまりバンチの発売日にぶつけているのと同じなのです。肝心の内容ですが、人気漫画の移動と現在連載中もしくは過去の人気作品の外伝、過去の名作の復活と、完全にバンチを意識した作りになっています。
講談社は動きました。が、肝心のライバル会社はいまだ沈黙を守っています。しかし、このまま沈黙するということはないでしょう。今後も漫画業界は目が離せませんよ。
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